はじめに

販売業を営んでいるが、顧客から不当な要求が続き、その対応に困っている。法的にきちんと解決したいが自社では対応できない。

こちらの不手際で顧客に損害を与えてしまったが、顧客の請求金額が過大で、受け入れることができない。こちらに落ち度があって交渉がなかなか進展しなくて困っている。

このようなお困りごとがありましたら、まずは大宮桜木町法律事務所へお問い合わせ下さい。

1.不当要求と弁護士

小売業や販売業など、一般の顧客等と接する機会が多い企業様の中で,顧客等から違法・不当な要求を求められたことはないでしょうか。

企業様の大事な顧客であったとしても、違法・不当な求めがあった場合には、しっかりとした対応をとることが必要となります。

もっとも、たとえば企業様のご担当者に一定の落ち度(過失)が存在する場合、解決に向けた交渉を最初から最後まで企業様ご自身が行うことは非常に困難といえます。

顧客対応に熱心なあまり、体調を崩されてしまったという話を聞いたことがありますが、それでは元も子もありません。

顧客等の違法・不当要求が認められる場合、弁護士が代理人となって、解決に向けた交渉を行っていきます。

具体的には、弁護士は、企業側の代理人として企業様の言い分を法的に整理し、相手と交渉していきます。時には毅然とした対応を、時には粘り強い交渉を行っていきます。
また、第三者的な立場に立って解決を提案していき、場合によっては、裁判所の調停・裁判などの手続きを利用して解決を目指していくこともあります。

2.要求内容が違法・不当であることが明らかな場合等

このケースでは、毅然とした対応が必要となります。
たとえば、虚偽の事実を主張して言いがかりをつけるケースや、言い分はともかくとして、報酬を得る目的を有する全くの第三者を代理人として介入させ、金銭を要求するような場合です。

このような事案において弁護士が代理人となった場合には、内容証明等を送付してこちらの言い分を法的に主張し、今後の窓口は全て代理人である弁護士宛行うよう通知します。
交渉窓口が弁護士となるだけで安心していただくことが多く、企業様には、これにより日々の業務に専念していただくことが可能となります。

なお、経験的には、一方が弁護士を就けると相手も弁護士を就けることが多く、感情を抜きにした客観的な基準をベースとした解決が期待されることがあります。

3.手段が違法・不当な場合

次に、相手の言い分はともかくとして、違法・不当な手段を用いるケースがあります。
たとえば、企業様やご担当社員の名誉を毀損するような内容のブログを掲載する場合や、企業様の業務を妨害して自己の要求を実現しようとするケースです。

このような場合も、まずは当該行為が違法・不当であることを法的に主張し、違法・不当な手段を用いる限り交渉には一切応じないなど、毅然とした対応が必要となります。内容によってはブログの削除等を求めることもあります。

4.企業様に落ち度が認められる場合

企業様に一定の落ち度(過失)が認められ、法的責任は存在する場合であっても、請求金額等が不相当に過大であるような場合があります。

たとえ、企業様に一定の落ち度が存在したとしても、その賠償額は請求する側の言い
値ということはありません。
なぜならば、企業様に法的な一定の責任(過失)が認められる場合でも、賠償金等の支払いは適正な金額でなければならないからです。

とりわけ、多数の顧客を扱っておられる企業様においては、公平に対処していく必要があります。

このような場合、適正な金額での解決を求めるべく、できるだけ客観的な基準を当該事案にあてはめていきます。その場合、併せて請求金額の算定根拠として証拠となるような資料の提出を求めていくことはいうまでもありません。

たとえば、店舗内の設備等の管理に落ち度があって顧客が怪我をしてしまうなどの事故が起きてしまい損害賠償を求められたケースでは、交通事故の損害賠償基準を適用したり、類似裁判例で認容された損害額を参考にすることがあります。

当事者間での任意の話し合いで解決がつかない場合には、債務額の確定を求める民事調停を申し立てたり、場合によっては、債務不存在等の裁判を提起していくことも考えられます。

5.事実関係が把握しにくく、法的評価が困難なケース

事案によっては、このような類型も存在しますが、代理人としては、できるだけ相手の主張や言い分に耳を傾け、粘り強く解決に向けた交渉を行っていくことになります。

6.合意書の取り交わし

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任意の話し合いの場合、合意内容がまとまれば、合意書を取り交わすことになります。
合意書のひな形は、インターネットや本を参考にして、自ら取得することも可能ですが、せっかく交渉が成就したのに、合意書作成という最後の詰めが甘いと意味がありません。
合意書を取り交わす際には、金銭の支払いや清算条項以外に、当該事案の特殊性にあった合意を取り付ける必要があります。

7.違法・不当要求事案の弁護費用

以上のようなケースの弁護士費用につきましても、他の事件と同様、基本的には旧日本弁護士連合会報酬規程に準拠し、請求されている金額を基準にして経済的利益を算出し、その一定割合を弁護士費用としていきます。

すなわち、経済的利益が300万円以下であれば経済的利益×8パーセントが着手金、実際の減額分×16パーセントが報酬金となります。
また、300万円を越える事案においては、着手金は経済的利益×5パーセント+9万円、報酬金は実際の減額分×10パーセント+18万円となります(いずれも税別です。)。

企業様に過失が認められ、ある程度の支払いを自認しているケースでは、請求金額から自認額を差し引いた金額を経済的利益とするのが原則です。

不相当に過大な請求をされているケースでは、それをそのまま経済的利益とすると弁護士費用も高額になってしまうことがあります。
そうした場合は経済的利益の算定に関してはご相談に応じさせていただきます。

もっとも、弁護士費用の決定にあたっては、事件処理に見込まれる時間や事件処理の複雑性、見込まれる手続等を考慮する必要があります。
ですが、弁護士が一方的に弁護士費用を決定、請求することはありません。必ずお話し合いをし、合意の上で定めますのでご安心ください。

もちろん、顧客対応については、顧問契約を締結してる方が迅速な対応が可能となることはいうまでもありません。そういう意味でも、顧問契約を締結し、弁護士と日頃から情報共有をし、連携を図っていただくことが大切です。

 

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